契約率を上げる心理学|アンカリング効果を不動産営業で活用するコツ

不動産営業

不動産営業では、お客様に物件の魅力を最大限に伝えることが重要です。その際、心理学のテクニックを活用すると、より納得感のある提案ができます。

今回は、不動産営業に役立つ「アンカリング効果」について詳しく解説します。適切に基準(アンカー)を設定することで、お客様の購買意欲を高める方法を学びましょう。

1. アンカリング効果とは?心理的メカニズムを理解しよう

アンカリング効果の基本概念

アンカリング効果とは、最初に提示された情報が基準(アンカー)となり、その後の判断に影響を与える心理現象です。

人は、何かを選択する際に比較対象を基準にして評価を行うため、最初の情報が意思決定に大きく関わります。

例えば…

  • セール品の価格設定:「通常価格10,000円」の商品が「セール価格7,000円」と表示されると、お得に感じる
  • 飲食店のメニュー:最も高額なメニューを最初に見せることで、他の料理がリーズナブルに思える

こうした心理は、不動産購入時にも強く作用します。

不動産営業におけるアンカリング効果の活用方法

不動産売買では、お客様が「本命物件」に納得しやすくなるように、比較対象を工夫することが重要です。

最初に見せる物件を「アンカー」として設定し、本命物件の魅力を引き出すことがポイントになります。

例えば…

価格が安い本命物件なら、最初に相場より高めの物件を見せる

日当たりが良い本命物件なら、最初に日当たりの悪い物件を案内する

駅から遠い本命物件なら、最初に駅近の物件を見せることで、価格のメリットを強調する

このように、比較対象を工夫することで、お客様の意思決定をスムーズにすることができます。

2. 不動産営業で活用できるアンカリング効果の具体例

① 前面道路の広さで価格を比較(広い道路→狭い道路)

本命物件:前面道路が4mと少し狭めだが、相場より安い アンカー物件:前面道路が6mと広いが、価格は相場より少し高め

物件前面道路の広さ価格お客様の心理
1件目(アンカー)6m4,500万円「広くて車の出入りがしやすい。でも価格はちょっと高め?」
2件目(本命)4m4,200万円「少し道路は狭いけど、この価格差なら納得!」

最初に「前面道路が広い物件」を見せることで、利便性の価値を理解してもらう

次に本命物件を見せると、「前面道路が狭くても価格が割安」と感じてもらいやすい

② 立地の比較(駅近→駅遠)

  1. 最初に駅徒歩5分の物件を案内
    • 「駅近で便利ですね!でも価格はちょっと高め」
    • 「通勤や買い物が楽ですが、予算を考えると…」
  2. 次に駅徒歩15分の本命物件を案内
    • 「さっきの駅近物件より価格が安いですね!」
    • 「駅から少し遠いけど、この価格なら満足できそう!」

最初に駅近の物件を見せることで、利便性の価値を意識させる

次に本命物件を見せると、「駅から遠いが価格を抑えられる」と納得しやすい

③ 築年数を基準にする(古めの物件→新築)

本命物件:築20年、リフォーム済みでコスパが良い アンカー物件:新築で設備は最新だが、価格は高め

物件築年数価格お客様の反応
1件目(アンカー)新築5,000万円「やっぱり新築は設備が最新でいいですね!」
2件目(本命)築20年(リフォーム済)4,300万円「築年数は経ってるけど、この価格ならアリかも!」

最初に築年数の古い物件を見せることで、築浅物件の価値を際立たせる

「新しい方が住みやすそう」と直感的に感じてもらいやすくなる

3. まとめ|アンカリング効果を活用して契約率アップ!

アンカリング効果は、不動産営業において非常に強力な心理テクニックです。

人は最初に見た情報を基準にして、その後の判断を行うため、本命物件を引き立てる比較対象を先に見せることが契約率アップのポイントになります。

営業でアンカリング効果を活用するためのポイント

本命物件を決めてから、比較対象のアンカーを設定する

お客様が「妥協しても納得できる」ポイントを意識する

過剰な誘導ではなく、自然な比較を作ることで信頼を得る

適切に活用すれば、お客様の満足度を高めながら契約率向上につなげることができます。ぜひ営業現場で試してみてください!

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