
不動産営業では、ただ物件を紹介するのではなく、戦略的に「本命物件」と「回し物件」を組み合わせることで、成約率を高めることができます。今回は、営業マンが知っておくべき基本的な考え方と、具体的な活用方法を解説します。
本命物件とは?
本命物件とは、顧客のニーズに最も合い、成約の可能性が高い物件のことです。営業マンが「ぜひこの物件を買ってほしい」と考え、最終的に提案したい物件がこれに当たります。
本命物件の特徴
- 顧客の希望に最もフィット 価格、立地、間取り、設備などの条件が顧客のニーズに適している。
- 成約の可能性が高い 競争力がある価格設定や優れた立地条件を持つため、売れやすい。
- 営業マンの成果につながりやすい 仲介手数料や販売計画の観点から、営業マンが最も売りたい物件でもある。
この物件を中心に営業戦略を組み立てることが、成約への近道になります。
回し物件とは?
回し物件とは、本命物件をより魅力的に見せるために、先に紹介する比較対象の物件のことです。顧客が納得感を持って本命物件を選べるよう、あえて価格や設備面で少し劣る物件を見せることで、心理的な効果を狙います。
回し物件の特徴
- 本命物件と比較するために使われる あえて条件が少し劣る物件を見せることで、本命物件の良さを際立たせる。
- 価格や立地を調整して選定 本命物件と近い条件だが、やや見劣りする物件を提案することで、比較の視点を与える。
- 顧客の納得感を高める いくつかの物件を比較検討することで、本命物件を「より良い選択」と感じさせる。

営業の流れ:本命物件+回し物件の活用
一般的な購入者は、5~6件 の内覧をしてから購入を決定することが多いため、本命物件に加えて 4~5件の回し物件 を準備しておくと、成約につながりやすくなります。
具体的な営業ステップ
- 本命物件を決定 顧客のニーズを把握し、最適な物件を選定する。
- 回し物件をピックアップ 価格・設備・立地のいずれかが本命物件より少し劣る物件を選ぶ。
- 回し物件を先に紹介 比較対象を先に見せることで、本命物件をより魅力的に感じさせる。
- 本命物件を提案 「これなら理想に近い!」と感じてもらい、スムーズに成約へ導く。
この手法を使うことで、顧客の心理を理解しながら提案を進めることができ、購入への納得感を高めることができます。
まとめ
本命物件と回し物件を戦略的に組み合わせることで、成約率を向上させることが可能です。営業マンとしては、顧客が納得して決断できるように比較対象を適切に選定すること が重要になります。
✔ 本命物件を先に決めて、逆算して回し物件を準備する
✔ 比較を通じて顧客に納得感を与え、購入を後押しする
✔ 売りたい物件を自然に選んでもらえるように、導線を作る
この営業戦略を活用すれば、より効率的かつ効果的な物件提案が可能になります。不動産営業に携わる方は、ぜひ実践してみてください。

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